【永久保存版】牛肉・黒毛和牛の全部位・特徴をご紹介!これさえ読めば牛肉の全部位が丸わかり!おすすめ調理法までご紹介

ブランド和牛 通販

普段、牛肉を購入する時、食べる時、それがどの部位なのかと意識をしていらっしゃいますでしょうか。
例えばロース肉、カルビなどという単語は誰もが聞いたことがあると思います。
でも、一言でロース肉と言っても、「肩ロース」と「リブロース」に分かれますし、「サーロイン」や「ヒレ」も広義の意味ではロースに含まれるのです。
また実はカルビという部位はなく、バラ肉周辺の肉を各店舗がここは並カルビだ!こっちは特上カルビだ!と呼んでいるだけで、明確な基準に基づいた呼称ではありません。

食肉小売品質基準では牛肉を9区分に分割しており、食肉の販売時において、小売業者は、その中のどの部位なのかを表示する義務があります。
その9種類の部位を更に小割りしていった時、それこそ無数の部位に分けることができ、一般的でないものまで含めると200部位を超えるとも言われています。

牛肉の部位と特徴を理解し調理していただくことで、よりおいしく、楽しく牛肉を食べて頂けるかと思います。
これさえ読めば、あなたも牛肉博士の仲間入り!

牛肉の部位13種類の分類

今回は牛肉を大きく13の部位に分類して解説させて頂きます。
食肉小売品質基準9種のうち、「ばら肉」を更に「肩バラ」と「トモバラ」に分け、「ウチモモ」からも「シンタマ」を分け、元々食肉小売品質基準に含まれていた部位「ネック」「スネ」も含めて、合計13種類としました。
更にこの13部位を小割り(肉を部位ごとに細かく分ける作業のことです)していき、13の大分類と含めて、全部で60部位をご紹介させて頂きたいと思います。
「エンピツ」や「千本筋」といった一頭から数100gしか取れない超希少部位など、マニア心をくすぐる部位も網羅してしております。

なお、内蔵系の部位(ホルモン、タン、ハラミなど)は別記事でまとめいきますので、今回の記事には掲載しておりません。

スジが多く硬いが、にじみ出る旨味 煮物などに最適な「ネック」

それでは、牛の頭に近いところから順にみていきたいと思います。

まずは牛の首にあたる部位「ネック」です。
頭を支える部分として、牛の中でも運動量が多く、筋肉質な部位となります。
そのため、肉質は硬い赤身肉で、あとで紹介するスネに次ぐ硬さです。
赤身の味が非常に濃く、煮込んで食べると、赤身肉の濃い旨味を楽しむことができます。
肩ロースやモモ肉など、牛肉でメインで消費される部分に比べても、値段はかなり安くなっており、有名なブランド和牛であっても躊躇なく手に入りやすい値段で販売されています。

当店では煮込み用のブロックと、1mmの薄切りスライスをご用意しております。
固い肉質ですが、1mmまで薄くすれば噛み切れないほどではありません。
固いことは固いですが、噛むと味わい深く、炒め物や煮物などに適しています。

一般的にみて、牛肉は固い肉質の部位ほど味が濃いという傾向にあります。
固い部位=よく運動して筋肉質な部位ということで、筋肉質なほど味わい深くなるのです。
柔らかい部位の代名詞サーロインやヒレなどは、全く運動量の無い部位になります。
そういった部位は柔らかいですが上品な味わいで、にじみ出る肉々しさなどは感じられません。
リブロースにしても、口の中で脂が溶けて一瞬でなくなってしまいますが、肉自体の美味しさがあるかと言われると疑問です。
そういう脂の美味しさ、柔らかさを楽しむ上品な部位とは対極にある、ワイルドな肉の旨さを楽しめるのがネックという部位です。

 

 

ネックのおすすめ調理法

・肉じゃが
・炒め物
・ビーフシチュー
・牛すじ煮込み
・ロールキャベツなど

 

きれいな赤身肉「肩(ウデ)」、希少部位「ミスジ」も取れます

牛の前足のつけ根あたりにあたる部位「肩」。別名「ウデ」とも呼ばれます。
日々、牛が歩くのにあたり活発に動かす部位であることから、筋肉質で筋や筋膜が多く、脂は少なめのキレイな赤身の肉質になります。

赤身といってもネックやスネのように硬いわけではなく、適度に入ったサシと濃厚な赤身肉の味が合わさって、薄切りにすると大変美味しく食べることが出来ます。
一般的に赤身肉のしゃぶしゃぶと言えば、この「肩」肉か「モモ」肉かの2択となりますね。
ダイエット中の方などカロリーが気になる方にも、肩肉はヘルシーでおすすめの部位です。
これから紹介するリブロース、サーロインといった霜降り部位に比較し、脂が少なく、お値段もあまり高くないことから、どのような料理にも使うことができる万能肉の1つです。

また、肉好きの方はご存知かもしれませんが、大人気の希少部位「ミスジ」もこの肩肉から取れる部位になります。
このミスジだけは非常に綺麗なサシの入った霜降り部位です。

当店で肩(ウデ)は、基本的にはミスジ、トウガラシ、肩三角(クリ)、それ以外の4種類に分けてスライスしています。
有名な霜降りのミスジも美味しいのですが、あまり知名度の高くない肩三角という部位が個人的に一番好きな部位ですね。
自分があまり霜降り好きではないというのもあるのですが、しゃぶしゃぶにすると最高に美味しい赤身肉です。

「肩(ウデ)」を小割りして取れる部位

  • ミスジ
  • ウワミスジ
  • マクラ・ニノウデ
  • 肩三角・クリミ
  • ヤリ・小三角
  • トウガラシ・トンビ

 

肩(ウデ)のおすすめ調理法

・薄切りスライスでしゃぶしゃぶや、すき焼き
・塊肉でローストビーフ
・こま切りで炒め物から煮物まで

 

サシと赤身のほど良いバランス「肩ロース」

ネックから牛の背中にかけての部位で、肩(ウデ)から牛の背中にあがった部分を「肩ロース」と呼びます。
肩ロースは運動量が比較的多く、赤身肉でありながら十分にサシもはいっているため、肉質もやわらかくなっています。
関西方面では、乗馬する際の鞍のちょうど下あたりにある部位であることから、「クラシタロース」と呼ばれたりもします。(当店でもクラシタロースと呼ばせて頂いております。)

肉質はネック側とリブロース側でかなり様相が様変わりします。
お肉屋では横長な肩ロースのブロック(和牛だと20kg前後の大きさです)を大体3等分に分けて使うのですが、ネック側のブロックは赤身が強く若干固めの肉質になっています。
真ん中のブロックが赤身と霜降りのバランスが丁度取れた肉質で、リブロースに一番近いブロックは肉質も非常に柔らかく、サシの量や味がリブロースとそこまで変わらないほど霜降りです。
下の写真箱の中で丁度真ん中のブロックにあたります。
このように一つの部位でありながら様々な側面を持つため、肩ロースは非常に使い勝手がよく、焼肉、しゃぶしゃぶ、ステーキ、何にでも使える万能肉と言えます。
サーロインやリブロースに比べると価格もお手頃であるため、炒め物から煮物まで普段使いで重宝出来るお勧めのお肉です。
私が思う万能肉は「肩」と「肩ロース」の2種類ですが、赤身好きは「肩」、霜降り好きは「肩ロース」を選んでみてください。

 

◇肩ロースのよもやま話
お肉屋さんで肩ロースのしゃぶしゃぶ・すき焼き用スライスが売られているのを見たことがある方もいらっしゃると思います。
その際に、同じ肩ロースなのに見た目が赤身のものと霜降りのものがあると思ったことはないでしょうか?
実際食べてみても柔らかかったり固かったり、肉質が一定していないことが多いですが、その理由が上記に書いたネック側とリブロース側で肉質が全然違うことにあるのです。
1頭買いでもパーツ買いにしても、肩ロースの真ん中だけほしいというような注文は出来ません。
そして基本的にはどちらかの端から順番にスライスしていきますので、注文された時にどの部分がカットされるかはその時の運次第と言えます。
当店のクラシタローススライスは基本的に半頭分を一度にスライスしてしまいますので、なるべくネック側と霜降り側がバランスよく入るように調整しています。
とはいえ限界がありますので、肉質のムラが出てしまう点は否めません。
また、人によって霜降りが好きな人、赤身が好きな人はまちまちです。
お客様が自分でパックを見て選べる実店舗と違い、インターネットショップは自分で見て選ぶことが出来ない点が懸念される部分ですね。
ネック側もリブロース側も、どちらもネット上では肩ローススライスであることには違いはありあせん。
よく商品の感想で、表面の肉だけ霜降りで下の肉は赤身で筋張ってたり固かったというようなコメントを目にします。
実際にネック側リブロース側をバランスよくパックに詰めると、このコメントのような構成になってしまうのです。
どうしても霜降りが食べたいという方はリブロース、反対に赤身が食べたいという方は肩かモモをご注文した方が外れは少ないでしょう。

 

色々書き連ねてきましたが、肩ロースがとてもお勧めという点に変わりはありません。
霜降り好き、赤身好き、どちらも楽しめて価格もお手頃という良いとこ取りのお肉です。
有名ブランド牛の肩ロースは、しゃぶしゃぶやすき焼きでお肉そのもののおいしさを味わって食べて頂きたいので、当店では肩ロースは全て丸ごとスライスのみです。
焼肉は他の部位で美味しいところがたくさんありますからね。

 

「肩ロース」を小割りして取れる部位

  • 肩ロース芯
  • 肩カブリ
  • 肩ロースカブリ
  • カマトロ
  • ザブトン・ハネシタ

 

肩ロースのおすすめ調理法

・塊でローストビーフ
・厚切りスライスでステーキ
・薄切りスライスでしゃぶしゃぶ、すき焼き、焼肉
・こま切れで炒め物・煮物

肩ロースのさらに詳しい解説はこちらの記事にございます。

 

サーロインと並ぶ霜降り部位「リブロース」

肩ロース部分から牛のお尻方向にある、背中部分の部位を「リブロース」と呼びます。
肩ロースとあわせ、リブロースも「ロース」として呼ばれますが、肩ロースに比べると、よりサシが増え、より柔らかい肉質となります。
牛肉の王様サーロインに並び、柔らかく脂ののった牛肉を楽しむことができる部位です。
好みによりますが、サーロインより風味があり、リブロースの方がおいしいと感じる方もいらっしゃるようです。
海外ではリブロイン、リブアイロール、キューブロールなんて呼ばれ方もしています。

薄切りでしゃぶしゃぶ・すき焼き、少し分厚く切って焼肉にしてもおいしく頂くことができます。
更に小割りしてから、中心にあるリブ芯をステーキにするという贅沢な食べ方もあります。
お値段はサーロインほどではないですが、牛肉部位の中ではヒレ、サーロインに続いて高い部位のため、炒め物や煮物で使ってしまうには少しもったいないですね。

下記の写真を見ながら、簡単に説明を加えますと、上部に真ん中で分かれた2つのお肉が見えるかと思います。
こちらをリブカブリ(リブキャップ)と呼びます。
若干リブロースの他の部位より固い部分です。
続いて左側にブーメランのような形に見えるのが、マキと呼ばれる部分。中心に見えるのがリブ芯です。
そしてそれら2つに挟まれて丸く見える部分がエンピツという超希少部位です。

リブロースは非常に肉質が柔らかく、薄くスライスすると千切れたり脂のところで割れてしまったりすることが多いです。
また牛によって脂の付き方がかなり違うため、スライスする時はどこまで脂を落とすか悩ましい部位です。
カブリの下にあまりに脂が多い場合は小割りして焼肉用にすることもありますが、この写真のようなパターンは当店ではカブリも外さずに大判でスライスしています。
理由は3点。
カブリを外すと歩留まりが落ちて単価が上がってしまうという店側にとってのマイナス面もありますが、実際リブロースの脂は美味しいので捨ててしまうのは勿体ないんです。
またA5和牛のリブ芯やマキといった中心部の肉は、そのあまりの霜降り度合いですぐに口の中で溶けて消えてしまいます。
なので若干固いカブリをつけておいた方が肉を食べた気になると私は思うのです。
もちろん、溶ける様な肉だけ食べたいんだ!という方は、カブリを切り離してから食べるのもいいかと思います。
脂に合わせて箸を入れればすぐに切れますので、リブ芯、マキ、カブリの食べ比べをするなんて食べ方も面白いかもしれませんね。

 

「リブロース」を小割りして取れる部位

  • リブ芯・リブロース芯
  • マキ・フカヒレ・三日月
  • リブカブリ・リブキャップ
  • リブゲタ
  • エンピツ

 

リブロースのおすすめ調理法

・厚切りスライスでステーキ
・薄切りスライスでしゃぶしゃぶ、すき焼き
・小割りして焼肉

 

霜降りの最高峰!牛肉の王様「サーロイン」

リブロースからさらに牛のお尻に近づいた腰近く、背中の中央部あたりに位置する「サーロイン」。
丁度、リブロースとランイチの間に位置します。
背骨に乗っかっているだけでほとんど運動量がない部位のため、リブロースと同様、きめの細かい赤身にきれいな霜降りがはいり、肉のうまみが肉汁とともにあふれだします。
良いブランド和牛では、脂が溶け出す融点が低くなっており、その溶け出す脂が、あふれる旨味として口の中で広がります。
ヒレが「牛肉の女王」と呼ばれるのに対し、サーロインは「牛肉の王様」と冠され、霜降りのサーロインか赤身のヒレかで人気を二分しています。
お値段も同様に、一部の希少部位を除けば、全牛肉部位の中でヒレの次に高いです。
ちなみにサーロインという名の部位があるのは牛肉だけで、豚などではあくまでロース肉の中の一部に過ぎず、サーロインという別名称は付けられていません。

またサーロインは、肩ロースと同じように切り分ける場所で肉の形が変化します。
お肉屋では横長のサーロインのブロック(和牛だと15kg前後の大きさです)を2等分に分けて使うのですが、リブロース側は比較的丸みを帯びており、ランプ側に行くにつれて細くなっていきます。
下記の写真は細くなってきたランプ側のサーロインになります。
霜降りの量はリブロース側の方が若干多いですが、肩ロースと違って肉質は殆ど変わらず、大きな違いは見た目だけです。
同じ牛のリブロースと並べるとそのままサーロインと繋がるようになっているのですが、リブロースのリブ芯とマキが徐々に大きくなっていき、逆にカブリが完全になくなったところからサーロインが始まります。
その後マキ部分が徐々になくなっていき、下記写真のような状態になってランプに繋がっていきます。

通常サーロインと言えばステーキの一択になります。
霜降りステーキの最高峰で、高級な鉄板焼き屋などでも100gで5,000円とかお高い値段で提供されています。
でも実は薄切りでしゃぶしゃぶやすき焼きにすると、適度に脂が落ちて非常においしく頂けるんです。
ただ普通はお値段が取れるステーキにして販売することが多いですね。
当店では、サーロインは半分をステーキ、半分をスライスしてご提供しています。
スライスの方は炒め物などに使うこともできますが、リブロース同様ちょっともったいないかもしれませんね。

 

サーロインのおすすめ調理法

・ステーキカットでステーキ
・薄切りでしゃぶしゃぶ・すき焼き

 

赤身肉の最高峰!牛肉の女王「ヒレ」

サーロインの内側に位置する細長い部位「ヒレ」。
赤身肉にも関わらず筋肉を全く使わない部位のため、牛肉の中で一番やわからい肉質が特徴です。
そのきめ細やかなサシが織りなす舌触りは非常にまろやかで、クセのない上品な味わいは万人受けし、脂肪がほとんどないのでカロリー控えめと良い点しかありません。
しかし牛肉の枝肉のうち3%ぐらいしか取ることができず、値段は全牛肉部位の中で一番高いです。

下の写真はまだ成形前のヒレですが、これ1本でおよそ5kg前後です。
ただし、ここから脂を落としていくと、最終的には半分以下の2.2~3kg程度にしかなりません。
またヒレから取れる有名な部位で「シャトーブリアン」という名前を聞いたことはないでしょうか?
とても貴重で高価なシャトーブリアンは、この写真の真ん中30%くらいの部分になります。
2.2kgの30%ですから、700g弱しか取ることが出来ないため、価格が高いのもうなずけますね。

ヒレもサーロインと同様、基本的にはステーキ一択です。
ほかにローストビーフや、煮込みシチューなどにしても口の中でとろけるような触感を楽しむことができます。
そしてスライスすることはまずありません。
スライスしたら折角の柔らかさを殺してしまうので、分厚くして柔らかさ堪能できる食べ方をするのがベストです。

 

 

「ヒレ」を小割りして取れる部位

  • シャトーブリアン
  • テート・ヒレ頭
  • ミニョン・ヒレ先
  • サイドマッスル

 

ヒレのおすすめ調理法

・ステーキカットでステーキ
・ヒレ塊でローストビーフ

 

ヒレのより詳しい部位の説明はこちらになります。

 

特徴的な肉質と大量の脂「肩バラ」(「ブリスケ」と「三角バラ」)

肩(ウデ)から少し下にいったところの、牛の胸の部分で前脚の内側にあたる部位「肩バラ」。
濃厚な味を楽しめる人気部位「ブリスケ」と特上カルビが取れる焼肉の王様「三角バラ」を合わせた部位です。
関西方面では「前バラ」とも呼ばれ、「肩バラ」全体を「ブリスケ」という呼び名で呼ばれることもあります。

淡路和牛_ブリスケ

「ブリスケ」はよく運動する部位のため若干固めの肉質ですが、脂も他部位に比べて固いため、たくさん食べても胃もたれしません。
ただし肉質が特徴的で、商品化する際にテクニックが要求される部位です。
分厚く切ると見た目のサシ量とは対照的に噛み切れなかったりするので、隠し包丁を入れたりすることもあります。
とても濃厚な味で、個人的にはサーロインよりも美味しいです。
含まれるコラーゲンは豊富で、煮込んだり牛丼などに使って食べても濃厚なお肉のうまみを楽しむことができます。

淡路和牛_三角バラ

「三角バラ」は焼肉界のスーパースターで、霜降りたっぷりの特上カルビがたくさん取れる部位です。
三角カルビという名前を焼肉屋で見かけたことがあるのではないでしょうか?
焼肉部位の中では一番高級な部位にあたり、マグロでいうところの大トロのようなとろけるサシを堪能できます。

ブリスケ・三角バラのどちらにも共通する点が、脂の多さになります。
牛肉全部位の中でもっとも歩留まりが悪く、脂をキレイに落としていくと販売可能なお肉がどんどん小さくなってしまい、最終的には3割程度になってしまいます。
牛肉の中では仕入単価の安い部位なのですが、脂を落として成形していくと単価が3倍ほどに上がってしまうため、歩留まりの良ささえよければ!といつも思ってしまいますね。

当店では、ブリスケはしゃぶしゃぶ用スライスと焼肉用に分けています。
しゃぶしゃぶ用としては肩三角の次に好きな部位かもしれません。
三角バラは全て霜降りのカルビ材として使用していますが、三角バラネックという部分だけは固いので若干薄くスライスして並カルビ材として使用しています。

「肩バラ」を小割りして取れる部位

  • ブリスケ
  • 三角バラ
  • 三角バラネック
  • ヘッドバラ
  • 三角バラリブフィンガー・三角バラリブゲタ

 

肩バラのおすすめ調理法

・スライスでしゃぶしゃぶ・すき焼き
・焼肉
・牛すじ煮込みやシチューなどの煮込み料理

 

焼肉で「カルビ」といえばこの部位!「トモバラ」

淡路和牛_ナカバラ
リブロース・サーロインから下方面に移動した、牛のお腹部分にあたる肋骨周りの部位「トモバラ」。
2つに分けて背中側を「ナカバラ」、お腹側を「ソトバラ」と呼びます。
全部位の中で一番量が多く、40kgを超えることもあります。
焼肉屋で「カルビ」と呼ばれて販売されている部位は大半がこのトモバラです。
「カルビ」という呼び方は牛肉の部位ではなく料理名で、もともと韓国語で「あばら」という意味でした。
肩バラ同様にかなり脂が多い部位となっており、歩留まりが悪くて成形可能な肉は4割程度です。
キメも粗く筋も多い固い肉質ですが、赤身と脂が交互に層を成してい(脂肪交雑)るため、一緒に焼くことで濃厚な味を楽しむことが出来ます。

トモバラを小割りしていくと、様々な希少部位にわけることができます。
「ナカバラ」からは、カイノミ、ウチハラミ、ボンショー
「ソトバラ」からは、ササミ、タテバラ、ヨコバラ
といった部位がそれぞれ小割り出来ます。
また両方共通して表面にカッパと呼ばれる薄い膜のような肉と、肋骨の間にゲタと呼ばれる中落カルビ材が付いています。
上記の小割り部位をすべて外すと残りはプレートとカブリと呼ばれる部位が残ります。
この二つが一般的にカルビとして使用するお肉です。
このように多数の部位に分けることが出来るトモバラですが、カイノミは希少部位の中では比較的有名ですね。

当店では、トモバラは基本的に全希少部位を取り出して、それぞれを焼肉用にスライスしています。
ただしカイノミだけは芯の形がよいところをステーキ用にもカットしています。
また、タテバラは脂の量が他の部位と比べても桁違いに多いため、トロカルビという名称で商品化しています。

トモバラは一般的には脂が多い部位ということになりますが、ウチハラミのように脂少なめの部位もあり、焼肉の中でもさっぱり食べたい!といったときに活躍する部位も混じっています。

「トモバラ」を小割りして取れる部位

  • カイノミ
  • ササミ、ササバラ、フランク
  • ウチハラミ、インサイドスカート
  • タテバラ
  • ヨコバラ
  • ゲタ、中落ちカルビ、バラ山
  • ボンショー
  • ショートプレート
  • カッパ・フランケン

 

トモバラのおすすめ調理法

・スライスで焼肉
・一部希少部位をステーキに

トモバラのより詳しい部位の説明はこちらになります。

 

赤身肉の王様「ランイチ(ランプ)」

牛の背中側にあるサーロインに続く腰からお尻に掛けての部位が「ランプ」もしくは「ランイチ」と呼ばれる部位となります。
サーロイン側のランプ、お尻・ソトモモ側のイチボの2種類からなり、ランプとイチボを合わせてランイチと名付けられました。
後に紹介する「シンタマ」「ウチモモ」「ソトモモ」と合わせ、この4種類がモモ肉に分類されます。

濃い赤身肉で、牛肉の部位の中で鉄分が一番多く含まれ、関西ではラムとも呼ばれます。
「ランプ」は赤身、「イチボ」は比較的サシが多く含まれ、どちらもステーキや焼肉で人気です。
特に「ランプ」の方は赤身肉ブームの火付け役になっており、ヒレと比較して”赤身肉の王様”なんて呼ばれ始めています。

「ランプ」は背中側の「ランナカ」とイチボ側の「ランボソ」に分けることが出来ます。
どちらもステーキに適しているため、当店ではまずは形の良い部分をカットステーキとして切り分け、残りを少し分厚めに切った焼肉用スライスとしています。
「イチボ」も同じくステーキカットにしていますが、説明の出来ない独特のクセがあります。
万人受けはしないので、贈り物などではクセがなく上品な味わいのランプをおすすめします。

ヒレやサーロインに次ぐ高級部位で、値段もそれなりに張ります。
ブロックで用意することもありますので、切って焼肉・ステーキ、塊のままローストビーフなどでお召し上がりください。

ランプの表面にはネクタイやメガネといった希少部位が張り付いています。
一般には出回らないので、見かけたらなくならないうちに買ってみてください。

「ランイチ」を小割りして取れる部位

  • ランボソ
  • ランナカ
  • イチボ
  • ネクタイ
  • メガネ

 

ランプのおすすめ調理法

・ステーキ
・薄切りで焼肉
・塊でローストビーフ

 

13部位の中では一番レア。希少部位の宝庫「シンタマ」

食肉小売品質基準ではウチモモに分類されている部位なのですが、こちらでは「シンタマ」としてご紹介をさせて頂きます。
シンタマは4つあるモモ肉のうちの一つ(モモ肉には、ウチモモ、ソトモモ、シンタマ、ランイチの4種類があります)で、その中でソトモモとランプに挟まれるような位置にあります。
後ろ脚の付け根にあり、丸い形をしていることから関西ではマルとも呼ばれます。

4つのモモ肉のうち一番きめが細かく柔らかいことが特徴で、小割りすると4つの希少部位が取れます。
4つの希少部位のそれぞれの肉質の特徴、おすすめの調理法が異なるため、詳細は別途シンタマ部位の紹介をご確認下さい。
当店でもシンタマはこの4部位ごとに分けて、それぞれを主に焼肉用として商品化しています。
一番有名な部位はトモサンカクでしょうか。
焼肉屋でよく見かける部位ですね。
モモ肉の中では一番霜降りが多く、赤身と霜降りのバランスが美味しい希少部位です。

「シンタマ」を小割りして取れる部位

  • シンシン・マルシン
  • マルカワ
  • カメノコ
  • トモサンカク・ヒウチ

 

赤身肉の代表格「ウチモモ」

モモ肉として思い浮かべると大体の人が牛の後ろ脚、人間でいう所の太ももを思い浮かべると思います。
「ウチモモ」はその想像の通りで、後ろ脚付け根の内側にあるモモ肉にあたり、人間でいう所のふくらはぎ部分にある部位です。
関西では内ヒラとも呼ばれています。

太ももなだけあって、非常に筋肉質で固く、サシはとても少ないです。
ただしブランド和牛のウチモモであれば比較的柔らかいため、薄切りで美味しく食べることが出来ます。
そのため赤身肉として肩に並ぶ人気の部位で、ソトモモよりは若干柔らかいのが特徴です。
スライスで焼肉、しゃぶしゃぶ・すき焼き、塊をローストビーフと色々な調理で楽しむことができます。
ウチモモは小割りすると、ウチモモカブリと大モモ、小モモに分かれます。
小モモは取れる量が少ない、ウチモモの中の希少部位です。
ランイチ部位でご説明したメガネという希少部位は、ウチモモ側についている場合もあります

◇モモ肉のよもやま話—————————————-
一番最初に食肉小売品質基準の中では9種類に分類されると書きましたが、お店でモモ肉を買う時、それがどのモモ肉なのか書いてあるのを見たことがある人はいないのではないでしょうか?
9分類の中ではウチモモ、ソトモモは明確に分けられているのですが、スライス肉に限り、2種類以上の部位を混合して使う場合、「肩」「ロース」「バラ」「モモ」の4種類のうち使用量の多い順に表示すればいいことになっています。
そのため、ウチモモもソトモモも、モモ肉という大枠の中に入れられてしまい、それがどちらのモモ肉かは分からなくなっているのです。
普通どのお肉屋もわざわざウチモモとソトモモで分けたりせずに一緒にスライスしてしまう場合の方が多いでしょうから、モモ肉とだけ表示すればいいのは有難いですね。
もしモモ肉のしゃぶしゃぶを食べて、いつもより肉質が柔らかいと感じたら、それはウチモモなのかもしれません。
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当店では、基本的には希少部位を除き、スライスしてしゃぶしゃぶ・すき焼き用にしています。
希少部位は薄くカットして焼肉用ですね。
モモの赤身肉は価格が安いので、ご家庭の普段使いのお肉としても適しています。

「ウチモモ」を小割りして取れる部位

  • 大モモ
  • 小モモ
  • ウチモモカブリ

 

ウチモモのおすすめ調理法

・薄切りスライスでしゃぶしゃぶ・すき焼き
・スライスで焼肉
・煮込み料理
・塊でローストビーフ

 

赤身しゃぶしゃぶの代表格「ソトモモ」

「ソトモモ」は牛のお尻から下に下がった部分の外側の部分となる部位です。
人間でいうと、太もものふくらはぎの反対側の固い部分ですね。
関西では外ヒラと呼ばれています。

ウチモモ同様に、太ももなだけあって非常に筋肉質で固く、サシはとても少ないです。
またウチモモに比べても、硬い赤身肉となり、脂も少なくあっさりとした風味となります。
よくスーパーで売られているモモ肉のスライス系商品は、ほとんどがソトモモです。
よく筋肉を動かす部位なので味が濃厚で、固くてスライス以外に使い道があまりないことが理由なのでしょう。

硬い肉質であることから、ネックとスネを除けば、数ある牛肉部位の中でも一番安い部類にはいります。
小割りすると、シキンボウ、ハバキという希少部位と、それ以外のナカニクに分けられます。
更にハバキの中には、知る人ぞ知る超希少部位、千本筋が隠れています。

当店では、希少部位のハバキと千本筋、シキンボウは基本的にはブロック販売、残りのナカニクはスライスしてしゃぶしゃぶ用販売しています。
ソトモモのスライスは薄切りにすることで固いというデメリットが解消されて、濃厚な味だけが際立つようになるので、価格が安いことも相まって、ご家庭での普段使いにおすすめです。
普通はウチモモとソトモモのスライスは区別しないのですが、当店では分けて販売しています。

なお、モモ肉は脂肪分が少なく水分が多いという特性があります。
そのため、カットして並べている間にすぐ変色が始まってしまいます。
当店の高等級和牛でもこの点は変わらないため、一部、特にふちの辺りが黒ずんでいる場合がありますが、問題なく食べれますのでご了承下さいませ。

「ソトモモ」を小割りして取れる部位

  • ナカニク
  • シキンボウ
  • ハバキ
  • 千本筋・センボン

 

ソトモモのおすすめ調理法

・薄切りスライスでしゃぶしゃぶ・すき焼き
・煮込み料理
・塊でローストビーフ

 

煮込むとコラーゲンが溶け出す部位「スネ(トモスネ・チマキ)」

牛の足、正確に言うとふくらはぎにあたる部分が「スネ」肉と呼ばれている部位になります。
運動量が多い部位であり、筋肉が発達しているため、スジが多く、牛肉の中で最も硬い肉質となっています。
硬い肉質もじっくり煮込むと、肉内にあるコラーゲンが溶け出してきて、やわらかく、おいしく頂くことができます。
牛すじ煮込みや、シチューといった、じっくり煮込む煮込み料理に最適な部位となります。

お値段も硬い肉質というところから、ネックと同様、お手頃価格で手に入る部位です。
工夫次第でおいしく調理することもできますので、美味しい肉料理をお手軽に食べたいという方にはぜひ挑戦してみて頂きたい部位となります。

 

スネ肉のおすすめ調理法

下記のような煮込み料理に最適な部位となります。
・牛すじ煮込み
・ビーフシチュー

 

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